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企業における生成AIの活用と法的リスク

企業における生成AIの活用と法的リスク

本年5月14日に公表された帝国データバンクの「生成AIに関する企業の動向調査(2026年3月)」によると、生成AIを業務で「活用している」企業は34.5%で、活用企業の86.7%が「効果あり」と回答したとのことです。生成AIを活用する企業は今後益々増加していくと予想されますが、生成AIの利用には様々なリスクが存在しており、各企業はそれらを把握した上で適切に利用する必要があります。

例えば、企業において従業員等が生成AIを利用する際、プロンプトに個人データを入力することは、場合によっては個人データの第三者提供に当たり個人情報保護法に違反する結果となる可能性があります。AIサービスの仕組みによっては第三者提供に当たらないと解釈できる場合もありますが、適法に利用するためには個人情報保護法の正確な知識と検討が必要となります。

また、従業員等によってプロンプトに秘密情報が入力されてしまう可能性も考えられます。自社固有の秘密情報が漏洩してしまうリスクもありますが、秘密保持義務を負う他社の秘密情報をAI提供者に開示することが当該義務違反と判断されるリスクもあり、企業としては、生成AI利用時も含めた秘密情報の管理についてルールを明確にして適切に運用する必要があります。

その他、AI生成物が他人の著作物と類似している場合に著作権侵害となるか否かの問題や、人格的権利・利益の侵害に関する問題、ハルシネーションやフェイクニュースの流布の問題、各種業法への抵触の問題など、AIの利用にあたって検討を要する法的・倫理的リスクは多くあります。

生成AIは企業に対し生産性の向上やコスト削減等のメリットをもたらします。企業が生成AIを適切に活用するためには、AIガバナンスが重要となります。その一環として、役員・従業員向けの社内ガイドラインを策定して、法的・倫理的なリスクについての認識を高め、適切な判断を促すことが考えられます。実際に多くの企業がこのガイドラインを策定しており、一部企業は公表もしています。

未策定の企業にとって、公表されている各社のガイドラインは参考になりますが、あるべき内容は各企業の利用目的・態様等によりますし、業種によって重点を置くべきポイントも異なってくるかと思います。ガイドラインの対象者を具体的に想定し、自社の状況に応じた必要な項目を慎重にご検討ください。その上で、生成AIをさらに戦略的にご活用いただければ幸いです。

經濟レポート:2026年5月26日号掲載

弁護士 丸子洋平

文責

弁護士 丸子 洋平

広島本店所属
所属弁護士会:広島県弁護士会
登録番号:48910

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