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再生可能エネルギーの切り札「系統用蓄電池」の展望と法務

再生可能エネルギーの切り札「系統用蓄電池」の展望と法務

1.はじめに
近年、再生可能エネルギーの必要性が喧伝されていますが、これらには「天候によって発電量が変動する」という弱点があります。そこで現在、電力会社の送配電網(系統)に直接接続し、電力が余った時に充電し足りない時に放電することで、電力の需要供給バランスを調整する「系統用蓄電池」ビジネスが熱視線を集めています。
系統用蓄電池ビジネスを開始するためには、設置予定地を管轄する送配電事業者に接続申込を行い、承諾を得た上で対象地に蓄電池設備を設置することになりますが、そのためには概略以下のような段取りを効率良く進める必要があります。

2. 電気事業法上の位置付け
令和5年の電気事業法改正により、合計出力1万kW以上の系統用蓄電池による放電は、原則として発電事業の対象となりました。そのため、事業者は国への届出義務を負うことになり、加えて電気主任技術者の選任、工事計画の提出、安全管理審査を行うなど、適切な体制の構築が求められます。

3. 用地選定におけるリーガルリスク
蓄電池設備を設置するための用地確保に際しても、農地を転用する場合の農地法許可や、森林法、都市計画法、消防法などの各種法令による規制をクリアする必要があります。
特に、長期間にわたる事業となるため、強固な借地契約の設定などの権利保全策が重要となります。また大型蓄電池設置には強固な基礎工事が必須であり、契約終了時の原状回復義務にも充分な配慮が必要です。
なおリチウムイオン電池は消防法上の規制に服するため、設置場所の安全対策や近隣との離隔距離、自治体の条例との整合性など充分なチェックが必要となります。

4. 設計、調達、建設に関する契約締結
次に、設備の設計や機器の調達、構築物の建設、送配電事業者との接続についての契約が問題となりますが、特に「工事が遅延した場合の損害」や「蓄電池の性能保証(経年劣化)」といったリスク負担は契約書での明確な合意が必須となります。

5. アグリゲーターとの契約内容
系統用蓄電池は、卸電力市場や需給調整市場などに配慮しながら最適にトレーディングする必要があるため、それらのマネージングシステムと運用会社の存在は必須となります。当方に不利な契約内容となっていないか、充分なチェックが必要となります。

弁護士 中佐古和宏

文責

弁護士 中佐古和宏

広島本店所属
所属弁護士会:広島県弁護士会
登録番号:30420

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